フォロンのブロンズメダル「L'Uomo della Pace」 |
フォロンは1981年頃から拾い集めた木片でオブジェの制作を始め、二次元的な作品世界を抜け出し、より現実的に自然との共生や一体性を高めようと、彫刻への関心を次第に高めていきます。そして10年後の1991年から本格的にブロンズ彫刻の制作を始め、多くの時間を彫刻の制作につぎ込んでいきます。このブロンズメダルは、フィレンツェの〈Forte di Belvedere e Sala d Arme di Palazzo Vecchio)でフォロンの大規模な回顧展「Folon. Firenze《5月12日~9月18日(10月2日まで延長)》」が開催された2005年に、十余の支部からなるフィレンツェのロータリークラブ(Rotary Club Area Medicea)が発行したもので、フォロンのブロンズ彫刻「L'Uomo della Pace」を基にしています。
回顧展が開催された2005年は奇しくも国際的な社会奉仕連合団体である「国際ロータリー(Rotary International)」の設立100周年にあたり、フィレンツェのロータリークラブは、記念事業として、フォロンのブロンズ彫刻「L'Uomo della Pace」を購入、フィレンツェ市に寄贈しました。帽子の男の手の平から湧き出す水を飲みに来た鳥を描いたこの彫刻は、平和を象徴する噴水になっており、フォルテッツァ・ダ・バッソ(Fortezza da Basso)前の広場(Piazza Bambine e Bambini di Beslan)に設置され、4月12日に除幕式が行なわれました。
ブロンズメダルも記念事業の一環として、フィレンツェのロータリークラブがフォロンに彫刻作品と同じ主題でレリーフ制作を依頼、国際ロータリーの設立百年目にあたる2005年2月23日に発行したものですが、彫刻作品の購入費用を捻出する意図もあったのかもしれません。